IPO投資を始めた方が挫折する最大の要因は当選確率の低さだと思います。時間をかけて複数証券会社から申し込んでも全く当たらない…やる気なくなってきた…という方も多いのではないでしょうか。せめて確率を知りたいと調べてみても、まとまったデータは開示されていません。このページでは私がweb上でかき集めたIPO当選確率に関する情報をご紹介します。
目次
データの出典
以下のサイト&ブログの記事で公開されているデータを参考にさせていただいております。
IPO当選確率データ集
各サイトで公開されているデータを基に、以下の仮定で当選確率を算出しました。また
(当選確率) = (当選銘柄数) ÷ (年間IPO銘柄数)
データは2015年以降のものに絞って記載しています。ちなみに2015年以降、IPOにより新規上場した企業の数は次の通りでした。
IPO件数 | 値上り | 値下がり | |
2019 | 90 | 77 | 12 |
2018 | 95 | 80 | 14 |
2017 | 94 | 84 | 10 |
2016 | 92 | 70 | 21 |
2015 | 97 | 84 | 11 |
細かい話はいいから確率を教えて!!という方はこちらをクリックして最後に飛んでください。
やさしいIPO株の始め方
IPO投資をやっている人であれば知らない人はいないサイトですよね。私もIPO銘柄の評価はよく参考にさせていただいています。管理人さんの実績は次のように記載されていました。
- 2019年:当選12回 = 13%
- 2018年:当選11回 = 12%
- 2017年:当選19回 = 20%
- 2016年:当選20回 = 22%
- 2015年:当選23回 = 24%
通算:18%
かなり頻繁に当選されているようですね。5年間の通算で当選確率18%と驚異的な数字でした。5回に1度当選していることになります。どうしたらこんなに高い当選確率になるか知りたいですよね。できることなら真似したい。当選銘柄、枚数、証券会社まで公開されているのでよく観察してみましょう。
お分かりですか?当選した証券会社に大きな偏りがありますね。大半がSBI証券からの当選となっています。SBI証券は資金が多いほど当選確率が上がります。つまりIPO用の資金をたくさん(数億円?)用意することができれば、当選確率20%以上も夢ではありません!…でも残念ながら真似できませんね(>_<;)笑。他にも証券会社に次のような特徴が見られました。
①大手証券会社ばかり
大手証券会社からの当選例しかありません。できるだけ多くの証券会社から申し込んで確率を上げよう!とよく言いわれますけど、割当の少ない小規模証券会社から申し込むのが本当に得なのか考える必要がありますね。個人的には手間がかかるので割に合わないと考えています。様々なサイトで複数証券会社からの申し込みを薦めている理由はアフィリエイトのためです。証券会社を増やせば確かに確率は上がりますが、労力に見合うかはよく考えてみましょう。
②SBI証券以外は全て主幹事
表を見るだけでは分かりませんが、SBI証券以外で当選したケースは全て主幹事でした。平幹事と比べれば当選確率数倍ですからね。面倒であれば主幹事に絞って申し込むのも手かもしれません。
庶民のIPO
続いても有名サイト「庶民のIPO」の管理人さんの当選実績を確認していきましょう。
- 2019年:当選12回 =13%
- 2018年:当選14回 =15%
- 2017年:当選3回 =3%
- 2016年:当選6回 =7%
- 2015年:当選17回 =18%
通算:11% ⇒5.5%/人
5年間の通算で11%と高い当選確率でした。ただし家族(配偶者)との合算ということなので、1人当たりでは当選確率5.5%ということになります。こちらのサイトでも証券会社別の当選数が公開されていました。
やはり大手証券会社からの当選が多いですね。9割以上が大手からの当選となっています。
以下すこし速足で解説させていただきます。
サバイブ
「お金に関する情報格差をなくしたい」ということで幅広く情報発信されているサイトです。関係者4名(+各ご家族)のIPO当選実績が公開されています。ペンネーム付きで公開されていますが、匿名に変更しています。詳細は元記事をご確認ください。
A氏(本人+配偶者)
- 2019年:当選6回 =7%
- 2018年:当選8回 =8%
- 2017年:当選9回 =10%
- 2016年:当選13回 =14%
- 2015年:当選10回 =10%
通算:9.8% ⇒4.9%/人
B氏
- 2019年:当選1回 =1%
- 2018年:当選7回 =7%
- 2017年:当選5回 =5%
- 2016年:当選8回 =9%
- 2015年:当選10回 =10%
通算:6.6% ⇒6.6%/人
C氏
- 2019年:当選1回 =1%
- 2018年:当選2回 =2%
- 2017年:当選1回 =1%
- 2016年:当選2回 =2%
- 2015年:当選6回 =2%
通算:1.6% ⇒1.6%/人
D氏(本人+配偶者+子供)
- 2019年:当選5回 =6%
- 2018年:当選6回 =6%
- 2017年:当選9回 =10%
通算:7.2% ⇒2.4%/人
一番高い方で6.6%、一番低い方で1.6%でした。公募価格割れの恐れが高いREITにも申しまれていることが気になりましたが、皆さん年数万~数十万円の利益を出されていました。肌感覚的にはこの程度が一般的なラインと感じます。
お金に生きる
初心者でも分かりやすように、お金や投資に関するトピックスを紹介されているサイトです。2年分の実績が掲載されていました。
- 2019年:当選4回 =4%
- 2018年:当選4回 =4%
通算:4.3%
出典:https://ideco-ipo-nisa.com/41776
あかぱんのIPO&優待投資日記
IPOと株主優待に関する情報発信をされている投資ブログで2019年のIPO実績が紹介されていました。
- 2019年:当選12回 =13.3%
通算:13.3%
出典:https://akapan-ipo.com/2019/12/29/2019年ipo当選銘柄総純利益大公開となります!/
番外編:ちる氏(twitter)
ちる氏はipo銘柄の当選確率を独自に算出されています。人気銘柄では0.1%以下、通常の銘柄では1~5%程度と予想されていることが多いようです。
出典:https://twitter.com/chil0913
番外編:けろ株式投資研究所
最後に私が昨年5月頃から取り組んでいる戦果もご紹介します。昨年は4銘柄当選でした。公募割れの可能性が高い銘柄は避けていましたが当選確率は4.4%とまずまずの結果です。
コード | 銘柄 | 損益 |
6596 | HPCシステムズ | -12,000円 |
4475 | HENNGE | +61,000円 |
4480 | メドレー | -3,000円 |
7080 | スポーツフィールド | +577,000 |
勝率は50%ですがスポーツフィールドの大当たりもあって+623,000円と大幅なプラスとなりました。軍資金は400~500万円程度ですから利回り12%強という結果です。
IPOの当選確率は?
web上で収集できた8つの例を確認しました。確率を上げるための方策を駆使して年間5%程度と考えればよいと思います。最近は90件/年程度のIPOがありますので、年間5件程度当選するイメージですね。
やさしいIPO株の始め方:18%
庶民のIPO:5.5%
サバイブ:4.9%, 6.6%, 1.6%, 2.4%
お金に生きる:4.3%
あかぱんのIPO&優待投資日記:13.3%
IPO投資の期待利回りは?
当選確率7%以下の事例で公開されていた利益額を使って期待利回りを計算してみました。1人当たりの運用資金が500万円と仮定して計算すると利回り7.9%/年でした。300万円とすれば+13.2%です。巷で人気のindex投資の長期期待リターンも年率+6%です。IPO投資はINDEX投資に比べ手間がかかりますが、リスクとリターンの比率はとても優れていることが分かります。時間を大切にしたい方はINDEX投資、ある程度の時間をかけられる方はIPO投資に取り組むことをおすすめします。
実績からみる当選確率を上げる方法
IPO当選確率UPのためのテクニックはいろいろありますが、実績と照らし合わせることで感じた有効性は次の通りです。
絶対取り組むべきIPO当選確率向上テクニック
- 家族(本人+配偶者+子供)全員で参加する
- 主幹事から参加する
- 複数の大手証券会社から参加する
効果が疑わしいIPO当選確率向上テクニック
- IPO取扱の少ない小規模証券会社からも申し込む
IPOはリスクが少ないので手間をかけて申し込みを増やし当選確率を上げなければ損だ!と思われる方もいるかもしれませんが、時間は有限です。お金は働けば稼げますが、時間は取り返しがつきません。労力に見合った効果があるかをよく考えて各方策を実践されることをおすすめします。
資産500万円程度までであればIPO投資は最強の投資法とだと思います。他の投資法ほど知識も必要ありませんので初心者にもおすすめです。
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