カップウィズハンドルは株価暴騰のサイン

いくら業績の優れた銘柄であっても購入タイミングを間違えると利益に繋がりません。機関投資家の買い集めが進み需給が整ったとき初めて株価が暴騰を始めます。需給を調整する過程で株価は特徴的なベースパターンを描きます。なかでもカップウィズハンドルは信頼性が高く強力なパターンです。このページではカップウィズハンドルの特徴、だましのカップウィズハンドルと見分けるための詳細分析法について私の解釈を含め解説します。

このページで分かること

カップウィズハンドルの特徴
 カップと取っ手の形、出来高の推移が大切
カップウィズハンドルのエントリーポイント
 ピボットラインのブレイク
だましのカップウィズハンドルの見分け方
 出来高の推移と相場環境
カップウィズハンドルの探し方
 高値圏にある成長株から探す

けろ
けろ

カップウィズハンドルを正しく理解して利益を手にしよう!

カップウィズハンドルとは

カップウィズハンドルとはウィリアム・J・オニールが執筆した株式投資の名著「オニールの成長株発掘法」で述べられているチャートパターンです。オニールの成長株発掘法では数十%以上の利益を狙える銘柄選定術について詳細に解説していますが、カップウィズハンドルは株価が上昇する直前に形成されるエントリーポイントを決めるために重要なパターンです。

カップウィズハンドルは名前の通りカップとハンドル(取っ手)から成るパターンです。

カップウィズハンドルのカップと取っ手

カップウィズハンドルを探す上で大切なのは形状ではありません。パターンを形成する間に株価上昇に必要な条件が整いつつあるかを確認することを忘れないようにしましょう。

カップウィズハンドルの特徴

まずは一般的なカップウィズハンドルの特徴を確認していきましょう。

カップウィズハンドルが出現する場所

カップウィズハンドルは株価が高騰し新高値を付けに行く局面で形成されるパターンです。出現する位置は上昇トレンドの途中やレンジ相場の天井付近となります。オニールの成長株発掘法によれば、カップ形成の直前に+30%以上の上昇トレンドがあることが望ましいと言われています。カップウィズハンドルを形成する前の上昇トレンドでレラティブストレンクスの改善や、買い集めの兆候が見られるとなおよいです。下落トレンドの底で似た形のパターンを描くこともありますが成功確率はぐっと下がります。

カップウィズハンドルの前には上昇トレンドが必要

調整の深さと期間

次にカップウィズハンドルの深さと期間についてです。本質的には形成期間(時間足、日足、週足)に寄らず有効なパターンではありますが、ノイズを減らし大きな利益を掴むという観点から長期足のカップウィズハンドルほど強力です。オニールの成長株発掘法では週足で形成されるパターンに注目して分析しています。

カップウィズハンドルの期間と調整幅

調整の深さ

高値からカップ底の安値まで調整幅は12~33%程度が望ましいです。弱気相場で同じような調整を行っている銘柄が多くあるのであれば、調整幅が小さな銘柄ほどよい傾向があります。調整の幅は小さすぎても大きすぎてもよくありません。調整が小さすぎると買い集めと振るい落としが不十分で、株価上昇のための力を蓄えることができません。一方で調整が大きすぎると前回高値まで戻るために必要な力が大きすぎるため途中で失速する可能性が高くなりますし、利益確定売りや戻り売りも増えてしまいます。

コロナショックのような極端な弱気相場の場合にはカップの調整幅が50%近くになることもあります。しかしながら調整幅が小さいほど望ましいことに変わりありません。

調整の期間

カップウィズハンドルの標準的な形成期間は7週間から65週間です。多くは3か月~6か月ほどで形成されます。

カップ底の形

理想的なカップの形は底が平らor丸いU字です。機関投資家による買い集めが起こっている場合、株価横ばい期間を挟みながら下落していくので底はなだらかになります。鋭いV字型の底をしていると買い集めと振るい落としが甘い可能性があります。

カップウィズハンドルの底の形

取っ手の形成位置・深さ・期間

続いて取っ手について詳細を見ていきましょう。

カップウィズハンドルの取っ手の形成期間、位置、深さ

取っ手の形成位置

取っ手の付け根は前回高値より少し低い位置となります。また取っ手はカップの上半分、かつ10週移動平均線より高い位置で形成されることが望ましいです。低い位置で取っ手が形成される場合十分な需要(=買い圧力)がないことを示唆しており、失敗の可能性が高まります。

取っ手の形成期間

2週間以上かけて取っ手を形成することが多いです。値動きの激しい銘柄では1~2週間で取っ手を形成し終えることもあります。この場合、週足で確認することは困難なので合わせて日足も確認するようにしましょう。大切なことは期間よりも買い集めと振るい落としが起こり売り枯れ状態になることです。

取っ手の調整幅

一般的な取っ手の調整幅は8~12%程度です。特別な弱気相場では調整幅が大きくなることもあります。調整幅の大きさより形成位置と需給を重視した方が本質が見えてきます。

取っ手の形

取っ手を形成する際は安値を切り下げていくことが好ましいです。横ばいの取っ手や安値を切り上げる取っ手を形成することがありますが、買い集めと振るい落としがうまく進まないため好ましくありません。ただし安値を切り上げる取っ手のカップウィズハンドルをVCPパターンと分類することができますので、諦めずに監視することをおすすめします。

カップウィズハンドルの取っ手の形

カップウィズハンドルの出来高推移

カップウィズハンドルの出来高

カップウィズハンドルは形(値動き)だけでなく出来高の推移も重要です。カップ底と取っ手で出来高が減少する売り枯れが現れるか確認しましょう。売り枯れ状態は機関投資家の買い集めが順調に進行し、株価が上昇する準備が整ったことを示しています。

カップウィズハンドルのエントリーポイント

カップウィズハンドルのエントリーポイントは、出来高の急増を伴ってピボットラインを上抜けしたときです。ピボットラインより+5%以上の位置で買ってしまうと、その後の調整で振るい落とされてしまう可能性がありますので、乗り遅れないようにしましょう。また焦ってピボットラインより下で購入した場合にも、追加の振るい落としに巻き込まれることがあります。カップウィズハンドルではなくVCPパターンとなれば、長い調整に巻き込まれて含み損に耐えねばなりません。

日中の出来高推移を見ながら勢いに乗ってピボットライン上でエントリーするのが理想ですね。

カップウィズハンドルの本質は買い集めと振るい落とし

カップウィズハンドルが株価上昇に繋がるのは、パターンを描く間に「買い集め」と「振るい落とし」が起こるためです。買い集めと振るい落としが起こることで需給が改善し、株価の大幅な上昇が始まります。

だましのカップウィズハンドルに引っかからないために

カップウィズハンドルがだましとなる原因は以下の2つです。

だましのカップウィズハンドルに引っかからないためのチェックポイントを確認していきましょう。

カップ底での買い集めと振るい落とし

カップ底では機関投資家が買い集めを進めています。一度に大量の株を買ってしまうと株価が急騰するため、周囲に動きが筒抜けとなってしまいます。悟られないように毎日少量の株を買い集める機関投資家ですが、値動きと出来高には痕跡が残ります。

買い支えによる株価横ばい期間

株価を高騰させずに株式を大量に購入する最善策は、市場が弱気となっている日に売り出される大量の株式を買い集めることでしょう。株価が横ばいの期間が続くということは、当該価格帯で機関投資家が買い支えていることを示す証拠となります。

出来高を伴った下髭ローソク足、高値引け、小陰線

ローソク足と出来高を見ることでも機関投資家による買い集めの動きを見ることができます。下髭ローソク足や出来高を伴った小陰線は、買い圧力が強いことを示唆しています。つまりカップ底で株価が横ばいとなり、急落日に出来高を伴った下髭ローソク足や小陰線で下げ止まった場合、投げ売られる株式を買い集めている機関投資家がいる可能性があります。

出来高とボラリティの減少

買い集めが進むと市場に流通する株式の大半を機関投資家が保有することになります。すると株式を取引する人が減ってしまいますよね。この現象は出来高の減少、ボラリティ(値動き幅)の低下という形でチャート上に現れてきます。

急落による振るい落とし

株価が横ばいの期間が続くと、出来高とボラリティが低下して1日に購入できる株式の数が減ってきます。この時点で目標の買付数に満たない場合、機関投資家は株価を急落させます。慌てた個人投資家たちが株を投げ売りしてくれるので、再び出来高が増え買い集めを進めることができます。振るい落としが行われていることも機関投資家の存在を示す重要サインです。

ピボットポイントから株価は再び下落

カップ底で買い集めと振るい落としを終えると株価は上昇を始めます。ただしそのまま高値を更新することは稀です。前回の高値に近づくと売り圧力が強まります。高値付近の価格帯では利益確定売りと戻り売りが出やすくなるためです。このように高値を前に出てくる大量の売りはオーバーヘッドサプライと呼ばれ、株価を吊上げたい機関投資家には厄介な存在です。オーバーヘッドサプライを受けて株価は下落に転じます。この際の高値がピボットポイントと呼ばれる価格です。ただし買い勢力が負けた訳ではありません。高値を更新するため、利益確定売りや戻り売りを吸収するための調整です。

取っ手を形成しながら振るい落とし

ピボットラインから株価は下落に転じます。ハンドル(取っ手)形成の始まりです。取っ手部分は利益確定売りや戻り売りを狙っている握力の弱い投資家たちを振るい落とすための動きです。

取っ手部分で起こる動きもカップ底と同様、買い集めと振るい落としです。取っ手終盤で出来高が減少してくれば需給が整ったサインです。出来高の少ない陰線は、売りたい投資家がいない売り枯れ状態を示しています。

強気相場のカップウィズハンドルに乗る

カップウィズハンドルは強力なパターンで値上がりが期待できますが、弱気相場に抗うことはできません。カップウィズハンドルを形成した後でも弱気相場となれば株価が横ばいになったり、下落してピボットラインを割り込むような事態が発生します。売りサインが出た場合には早急に撤退するようにしましょう。

けろ
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過信は禁物!!相場環境に逆らってもいいことないよ!(自戒)

だましのカップウィズハンドルを見抜いて、力強いカップウィズハンドルに乗るためには需給と市場の状態を読む力が必要です。強気相場で需給が整ったカップウィズハンドルをブレイク後に購入すればだましに遭う確率はとても低いです。各要素の見抜き方は以下の記事で解説しているのでご確認ください。

カップウィズハンドルの探し方

続いて実際にカップウィズハンドルを見つける方法を解説していきます。残念ながらチャートパターンからカップウィズハンドルを直接スクリーニングするツールはありません。カップウィズハンドルを描く銘柄の特徴とカップウィズハンドルの形成位置を利用してスクリーニングすることで、候補銘柄を絞り込んでいきましょう。スクリーニングツールは使い慣れたものを利用してください。私は楽天証券のスーパースクリーナ―とTradingviewを組み合わせてスクリーニングを行っています。

カップウィズハンドルを形成するのは好業績銘柄

株価が上昇するためには企業が成長し利益をあげなければなりません。好業績の成長株を抽出するため、経常利益変化率、売上高変化率、ROEでスクリーニングを行います。

  • 経常利益変化率 :12%以上(前年度比)
  • 経常利益変化率 :10%以上(前年同期比)
  • 売上高変化率      :10%以上(前年度比)
  • ROE           :10%以上

カップウィズハンドルは高値圏で形成される

カップウィズハンドルは新高値を更新して株価が高騰する直前に形成されます。新高値を更新するためには、高値圏で形成する必要がありますよね。以下の条件で高値圏にある銘柄を抽出します。

  • 52週高値からの下落率:0~-20%

楽天証券のスーパースクリーナを使えば最大5つの条件でスクリーニングできますので、上記の条件に合致する銘柄を抽出することができます。強気相場であれば100銘柄程度の候補が見つかると思います。

チャート形状からスクリーニング

スクリーニングツールを利用して新高値更新を狙っている銘柄を見つけたら、チャート形状を精査していきましょう。100銘柄あっても30分もあればスクリーニングできますので、週末に少し時間をとって確認することをおすすめします。まずはカップを形成しつつある銘柄を探してみましょう。カップウィズハンドルを形成しつつある銘柄が見つかれば、買い集めと振るい落としの動きがあるかを確認していきます。

カップウィズハンドルを描きつつある銘柄を見つけたら、チャート、業績、将来性を精査してエントリーポイントを待ちましょう。

カップウィズハンドルを形成する銘柄はCANSLIM投資の銘柄と共通する部分が多いので、以下の記事も参考にしてください。

カップウィズハンドルを描いた銘柄の例

過去にカップウィズハンドルを描いた銘柄の例を確認してみましょう。カップウィズハンドルの分析は参考記事で紹介しています。

ベネフィット・ワン(2412)

参考記事:カップウィズハンドル/ベネフィット・ワン(2412)/2014年

オープンハウス(3288)

参考記事:カップウィズハンドル/オープンハウス(3288)/2017年

カップウィズハンドルの分析例は以下のリンク先で公開しています。実際のチャートをみて分析を繰り返すことが分析上達の近道です。

カップウィズハンドル
「カップウィズハンドル」の記事一覧です。

カップウィズハンドル以外のベース

CANSLIM投資で使うベースはカップウィズハンドルだけではありません。VCPパターンやダブルボトムは出現頻度&信頼性が高いので合わせて学ぶことをおすすめします。

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