S:株の需要と供給


オニールの成長株発掘法では大化け銘柄の7つの特徴「CAN-SLIM」に注目し投資を行うことを推奨しています。このページでは4つ目の特徴「S:株の需要と供給」について解説します。

S:株の需要と供給

CAN-SLIMのSはSupply and Demand (=株の需要と供給)を指しています。しかし需要と供給に関することはあまり述べられていません(笑)需給に関連した流動性を主に解説しています。

株価を決めるのは需給

あらゆるモノの値段は需給で決まります。天候不順のため野菜の収穫量が減ると、価格が高騰しますよね。一方で豊作で野菜の収穫量が増えると、野菜の数>買いたい人の数となり、値崩れを起こしてしまうこともあります。極端な豊作の場合は、生産者が品物を市場に出さず廃棄してしまうこともあります。供給量を絞ることで値崩れを防ぐためです。買いたい人の希望価格と売りたい人の希望価格が釣り合うところでモノの値段が決まります。株も例外ではありません。今より株が高くなると考える人が多くいれば値段(=株価)は上がりますし、下がると考える人が多ければ値段は下がります。需給に影響を与える事象、現在の需給の状況を見極める方法を学ぶことが投資上達に繋がります。

で、需給の見極め方は?と本章を読んでも書かれていません(笑)需給の見極めはチャート分析や大量保有報告書を参考にしましょう。

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株取引の流動性という考え方

取引の円滑さを指す流動性という考え方を見てみましょう。需要と供給は買いたい人と売りたい人の比で決まる一方で、流動性は買いたい人と売りたい人の巡り合いやすさを指します。売りたいと思ったときにすぐに買い手が見つかる状態を流動性が高いと言います。例えば不動産を売却しようと思ってもしばらく時間がかかりますよね。売りたい人と買いたい人の総数が少ないですし、両者が出会う方法も限られます。一方で株式の場合、市場が開いている間であればいつでも売買が可能です。つまり株式は不動産に比べ流動性が高いといえます。

流動性の指標

流動性は市場で取引される株式の数で決まります。ところで発行されている株式全てが取引されている訳ではないことをご存じですか?例えば経営者が株を保有している場合、株を市場に放出することはあまりありません。つまり発行済み株式数を見るのではなく、実際に取引されている株式の数を見なければ流動性は分かりません。取引されている株の数を表す指標は次の2つを使いましょう。

浮動株

経営者などが所有している流動性の低い株を除いた流動性のある株式のことを浮動株と呼びます。つまり浮動株が多いほど流動性が高いわけです。浮動株の数は会社四季報に記載されている浮動株比率を確認すれば分かります。会社四季報の浮動株の定義は「1単元以上50単元未満の株主の保有株式合計」ですので、浮動株数を過大評価する傾向にありますが、銘柄間の流動性を比較するには十分です。

出来高

当たり前ですが日々の出来高は流動性の指標になります。東証2部や名証などの銘柄では1日の出来高が1万株以下の銘柄が数多くありますが、このような銘柄は板が薄く、買い気配と売り気配の差が大きく開いていることも珍しくありません。取引は成立しにくく流動性が低いといえるでしょう。また出来高が少ないことは投資家たちが注目していないことを示唆しています。誰からも注目されていない銘柄が大きな飛躍を遂げることは考え難いので、避けるのが無難でしょう。

材料による流動性の枯渇

流動性が変化する要素として材料(業績と関連がある可能性のあるニュース)の発表があります。材料を見た投資家たちは皆が一方的な取引を望む(好材料なら買いが殺到)ため、買いたい人と売りたい人のバランスが崩れ、取引が円滑に進まなくなります。悪材料により売りが殺到し流動性が枯渇すると売り注文が成立しない、大幅に安い価格で売ることになることも珍しくありません(^_^;)。普段から流動性の低い銘柄で材料が出た場合は特に厳しい状況になりますので注意が必要です。

流動性と値動きの関係

流動性と値動きに直接的な相関はありませんが、大化け銘柄を探す上で抑えておくべき要素を見ていきましょう。

流動性の高い銘柄の株価を上げるには大きな力が必要

株価を上昇させるためには、時価総額に見合った買い注文が必要となります。つまり流動性の高い(=たくさんの株が出回っている時価総額の大きな会社)の株価が上昇するためにはとても大きな資金が必要になるわけです。よい銘柄には莫大な資金が流れ込むことが多々ありますが、流動性が高いほど株価上昇に大きな力が必要なことは覚えておくとよいでしょう。

流動性の高い銘柄が大きく成長する可能性は低い

流動性が高い企業の多くは時価総額の大きな大企業です。新製品や新事業が会社に与える影響と企業規模の関係を考えてみましょう。売上高100億円の企業が売上高100億円の新規事業を始めたら影響は大きいですよね。新規事業によって企業規模が2倍になりました。株価も大幅上昇が期待できますね(^^♪。一方売上高1兆円の企業の場合はどうでしょうか。100億円の新規事業の影響は1%しかありません。…誤差ですね。苦労して100億円の事業を立ち上げても誤差です。このような理由から流動性の高い(=規模の大きい)企業が大きく成長する可能性は低くなってしまいます。株価が数倍になるような銘柄を探したいのであれば、時価総額1000億円以下で探してみるのがよいと思います。

流動性の高い銘柄はチャレンジ精神を失っている可能性がある

大化け銘柄の多くは革新的な製品を生み出すチャレンジ精神あふれる企業です。チャレンジ精神と聞くとベンチャー企業などの新興企業が思い浮かびますよね。このような企業は株式の大部分を経営者が保有している(=流動性が低い)ことが多いです。つまり下手な経営をして株価が下がると自分の資産が減少します。成果主義になるので経営に強い責任をもって働くことになりますよね。一方で大企業はどうでしょうか。一般に組織が肥大化するほどチャレンジ精神は衰え、時代の変化に対応する機動力が落ちてしまいます。大企業の大株主が経営者であることも極めて稀ですよね。以上の理由から流動性の高い(=時価総額の大きい)企業の株価が大幅な上昇を遂げる可能性は新興企業に比べて低くなりがちです。

流動性が低いと適正な株価で取引が行われない

モノの価格は需給で決まることは先ほどご紹介しました。では流動性が低い状況ではどのように価格決定がなされるでしょうか。株を売却したいと考えたときに中々買い手が見つからなければ、定価より大幅に安い価格で売り出す必要がありますよね。購入したい場合も定価より大幅に高い値段でなければ取引が成立しません。現金が必要で200円の株をすぐに売却したい場合を考えてみましょう。取引する人が多く流動性が高い銘柄の場合では買いたい人を見つけやすいため、199円、198円で売却することも可能でしょう。一方で流動性が低い銘柄では買いたい人が少ないため、190円や170円でなければ売却できないケースもあります。つまり値幅が大きくなりがちです。流動性が高い商品では定価付近で売買が成立しますが、流動性に欠ける商品では極端な値動きになる傾向があることを覚えておきましょう。

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