株の買い時は機関投資家の買い集めと振るい落としで決める

株価が上昇を始める前の前兆を察知してエントリーできれば理想的ですよね。株価が上昇する銘柄を選び、購入のタイミングを見つけるために有効なのが買い集めと振るい落としの動きです。ローソク足と出来高から買い集めと振るい落としの動きを探せば、株価を操る機関投資家の存在や需給の状態が見えてきます。多くの株式投資家が判断に利用するテクニカル分析の本質は需給を見極めることです。株価の動きを支配する需給に注目し、テクニカル分析による株の買い時の判断基準を解説します。

けろ
けろ

需給から株価が上昇するタイミングを察知しよう!

このページで分かること

株を買うタイミングを決める方法
ローソク足と出来高から需給を読み解く方法
機関投資家が買っている銘柄を探す方法
株価上昇に繋がるチャートパターン

割安株を買うのは間違い

株式投資で利益を出すためには、安値で買って高値で売ればよいですよね。利益を出す難しさは安値と高値がどこにあるか分からないことにあります。株式投資を始めたばかりの頃は、株価が大きく下がった銘柄が安く買い時だと思って投資することもあるでしょう。しかし株価が下がり続け安値にある銘柄は、さらに値下がりする傾向にあります。割安株が割安で放置されることには理由があるので、株価が安くてお得だということは起こりません。安値で買って高値で売るためには安い株を買うのではなく値上がりする株を買うことが重要となります。

株価を決めるのは需給

株価が上昇する株を選ぶためにはどうしたらよいか考えてみましょう。株価は株価は企業価値を表す指標です。より多くの利益を生み出す企業は時価総額が高く株価が上昇していきます。一方で好決算にも関わらず下落する銘柄もありますよね。価値が上がったから株価があがる訳ではありません。価値があると思う人々が株を買おうと殺到するために株価が上昇します。買いたい人(需要)と売りたい人(供給)のバランス次第で株価が上下に動くということです。株の需給を見極めることで株価が動く方向を推測することができます。

株の需給を支配するのは機関投資家

株価が上がるか下がるかを決めるのは需給ですが、市場で取引される株式は膨大な数になります。個人投資家の売買が需給に与える影響は軽微です。実際に需給を支配し株価の方向性を決めているのは、数十億円以上の資金を自在に操ることができる機関投資家たちです。つまり株価の方向性を知るためにチャートから読み取るべきは機関投資家の意図です。ローソク足と出来高を組み合わせてみれば、機関投資家の行動が浮かび上がってきます。

ローソク足と出来高を組み合わせて買い時を判断

株価の動きを読み解く際、直接的な情報は値動きを示すローソク足と出来高だけです。移動平均やMACD、ボリンジャーバンドなどのテクニカル指標も有効ではありますが、まずは基本となる出来高とローソク足を学ぶことをおすすめします。

買い集めと振るい落としで需給を判断する

株価が上昇するためには強い買い勢力の存在と売り勢力の弱体化が必要となります。

強い買い勢力とは機関投資家を始めとする大口投資家がの存在です。一方で売り勢力とは戻り売りや利益確定売りを狙う個人投資家たちであることが多いです。株価が高騰を始める前段階では、大口投資家が株を買い集め、弱い投資家を振るい落とす期間が存在します。

買い集め

豊富な資金を持っている機関投資家は株を買い集めるだけでも一苦労です。1度に大量の買い注文を出してしまうと需給が崩れて株価が高騰してしまいますよね。株価の高騰を抑え安値で大量の株を購入するために慎重に買い集めが進められます。ただしいくら慎重に買い集めを進めても、チャート上には痕跡が残ります。売り枯れと呼ばれる陰線の出来高が急減する状態がそのひとつです。

振るい落とし

株を買い集めることができたら利益を上げるために大量の買い注文を出して株価を吊上げます。この際、握力の弱い投資家たちの利益確定売りや戻り売りが大量に出てくると思ったように株価が上昇しません。株価を吊上げるときの売り圧力を減らすため、買い集めと並行して握力の弱い投資家の振るい落としを行います。

買い集めと振るい落としの動きをローソク足から見るためには出来高・価格分析を利用します。

カップウィズハンドルで需給を学ぶ

カップウィズハンドルというチャートパターンを例に買い集めと振るい落としの動きを見ていきましょう。カップウィズハンドルとはオニールの成長株発掘法という書籍で紹介されている有名なチャートパターンであり、株価が数十%以上あがる直前に形成される強力なものです。カップウィズハンドルの本質も、買い集めと振るい落としによる需給の改善です。

橙色で示した株価が横ばいの期間では買い集めが行われていると考えられます。横ばい期間の終わりや取っ手の安値では赤枠で囲んだ特に出来高の少ない足がありますね。この極端に出来高の少ない状態が売り枯れであり、買い集めが順調に進んでいることを示しています。

赤色で示した期間では振るい落としが起こっています。1つ目の振るい落としは、株価横ばいからの急落で慌てた投資家たちの投げ売りによって起こっています。2つ目の振るい落としは取っ手形成中に起こりました。前回安値と株価横ばい期間の価格帯を割り込んだために、多くの投資家の損切りラインを下回ったことで大量の売りが出たと考えられます。

以上のように買い集めと振るい落としを繰り返すことで需給は改善し、株価は上昇を始めることとなります。

株価の上昇前に現れるチャートパターン

カップウィズハンドル以外にも、株価上昇に繋がるパターンがあります。VCPパターンやダブルボトムも正しく理解すれば強力な武器となります。

コメント

  1. 山岸 哲夫 より:

    参考になりました。

    • けろ より:

      山岸さん

      コメントありがとございます!
      皆さんのお役に立てるよう頑張ります(/・ω・)/

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