ダブルボトムが形成される理由を学びだましを回避しよう!

ダブルボトムは下落トレンドから上昇トレンドへの転換点で現れるチャートパターンです。しかし見た目が単純で有名なため、上昇に繋がらないだましのダブルボトムも多くあります。上昇サインとなる理由、チャートを読む際のチェックポイントを学ぶことで、だましに引っ掛からず力強いダブルボトムを選べるようになりましょう。

けろ
けろ

ダブルボトムが上昇に繋がるためのポイントを押さえよう!

ダブルボトムの形状とエントリーポイント

まずはダブルボトムの基本を学んでみましょう。見た目はこんな感じです。

1番底(1回目の安値)と2番底(2回目の安値)を結んだ支持線があり、2つの底の間にある高値が抵抗線となっています。買いのポイントは抵抗線を上に抜けた時点になります。

ダブルボトムが有効な理由

ダブルボトムが何故買いポイントとして有効なのか理由を考えてみましょう。鍵は抵抗線の近くで売買する投資家の心理です。ダブルボトムを描く中でトレードしている3人の投資家の動きを見てみましょう。

投資家Aは1番底の反発をうまく捉えたものの、高値で売り逃してしまっています。投資家Bは高値掴み、2番底で反発したことで安堵しています。投資家Cは2番底からの反発で購入し、売り時を探っています。

株価が2番底から抵抗線まで上がってきたところで、3人は次のように考えるのではないでしょうか。

投資家A
投資家A

高値に戻った、欲張らずにここで利確しよう

投資家B
投資家B

高値掴みが助かる!抵抗線で同値撤退しよう!

投資家C
投資家C

利食い千人力、抵抗線で売ってしまおう!

抵抗線の価格帯では戻り売りや利益確定売りで売り注文が出やすいのです。抵抗線を上に抜けたということは、大量の売り注文に勝る上昇圧力があるということであり、上昇トレンドの始まりを示唆することとなります。

だましのダブルボトムを見分ける方法

ダブルボトムを見つけてエントリーしたものの、株価がすぐに下落に転じた経験がある方も多いと思います。原因は形状だけを見て「だましのダブルボトム」に引っ掛かってしまっていることにあります。ダブルボトムのチャートが描かれる中で何が起こっているか、何故ダブルボトムが転換サインになるかの理由を考えることでだましのダブルボトムを回避し、テクニカル分析の精度を上げることができます。

だましのダブルボトムでは需給の改善が進まない

株価が上昇するためには買い勢力が売り勢力に打ち勝たねばなりません。つまり「強い買い勢力が増えること」と「売り勢力が減ること」の両方を満たす状態ができなければいけません。ダブルボトムを描く中で「需給が引き締まる」ことが重要となってくる訳です。しかし単純にダブルボトムを形成するだけでは需給は引き締まりません。振るい落としと買い集めが進み、需給が引き締まっているかを見極める必要があります。

2番底の深さで分類する3つのダブルボトム

2番底の深さでダブルボトムを分類し、投資家の動きを考えてみましょう。買いに入るべきダブルボトムは2番底が深い場合と、2番底が極端に浅い場合の2パターンだけです。

2番底が深いダブルボトム

まずは2番底が深いダブルボトムを考えてみましょう。ところで皆さんが投資家A,Bの立場だった場合、損切りラインをどこに置きますか?多くの方は1番底と同じ価格、支持線を損切りラインに設定するのではないでしょうか。つまり戻り売りを狙ってる投資家を振るい落としたければ故意に支持線を割ったチャートを描き、投資家たちを振るい落としてしまえばよいのです。

投資家A,Bを振るい落としてしまえば、抵抗線で待ち受ける売りは投資家Cの利益確定売りだけと小さくなっており、ダブルボトム失敗の確率は下がります。

2番底が浅いダブルボトム

続いて2番底が浅いダブルボトムを考えてみましょう。そもそも2番底が浅くなる理由は何でしょうか。「2番底が浅いダブルボトムは買い圧力が強く成功の可能性が高い」と解説する書籍が多くありますが需給の観点から考えると不完全な説明です。買い勢力と売り勢力の両方を見る必要があります。

1番底を形成した後に高値で天井サインが現れると弱い投資家は慌てて売り始めます。弱い投資家が多ければ大量の売り注文が出て株価は急落し、2番底は1番底の支持線近くまで下落するはずです。支持線まで下落するか、支持線のすぐ手前で上昇に転じるかは需給を判断するうえで些細な差です。投資家A,B,Cが抵抗線で戻り売りしようと待ち構えていることに変わりありません。

2番底が浅いダブルボトムで注目すべきは、1番底の50%以下調整幅が極端に小さい場合です。1番底を形成した後の天井サインを目にしても慌てて売るような弱い投資家が少なく需給が良好なことを示しています。

2番底が極端に浅いダブルボトムは、カップウィズハンドルと似た形状に見えることもあります。

「2番底が浅いと強い」とチャートの形だけで捉えるのではなく、チャートが描かれる背景から強さの理由を意識することが大切です。

2番底が同程度のダブルボトム

1番底と2番底が同程度の深さで支持線を描いている場合は需給の観点では面白味がありません。振るい落としが進むわけでもなく、売り勢力が弱くなっているわけでもなく、自然に身を任せた値動きです。需給が不明で売買の優位性が見いだせない局面では取引しないのが吉です。

ダブルボトム形成中の買い集め

ダブルボトムが強いパターンとなる理由の1つは振るい落としの動きによる需給の改善でした。でも振るい落としが起こるだけでは売り勢力が弱まるだけですので、あわせて買い勢力の強さを確認する必要があります。買い勢力の強さをはかるために探すのが買い集めの動きです。ダブルボトムを形成する価格帯で株を買い集め、ひと儲けしようと企んでいる大口投資家の存在を探しましょう。

買い集めの動きはローソク足と出来高を組み合わせてチャートを読み解くことで見つけ出すことができます。ダブルボトムを形成中に株価が横ばいの期間、出来高を伴った長い下髭や小陰線が現れている場合は、裏で大口投資家が買い集めをしている可能性があります。買い集め後に株価が下がると、レンジ支持線割れを理由に損切りが出て振るい落としもあわせて進みます。

参考:株価と出来高は機関投資家の動向を映す鏡

取っ手付きダブルボトム

ダブルボトムを形成する過程で需給が改善しても、抵抗線に近づけば多少の戻り売りが出てきます。抵抗線の目前で売り勢力を吸収するために取っ手を形成することがあります。

取っ手を形成しながら出来高が減少していけば、需給が引き締まり売り枯れ状態となってくると理想的な状態です。取っ手部分の考え方はカップウィズハンドルと同じです。

参考:カップウィズハンドルは株価暴騰のサイン

まとめ

ダブルボトムは有名すぎるために、強さの理由をしっかり理解して使わなければだましに引っ掛かる可能性が多い危険なチャートパターンです。形状だけで判断するのではなく、形成中の値動きと出来高をしっかり分析することが大切です。勝率の高い局面を選んでトレードするようにしましょう。

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