VCPパターンで株の需給は引き締まる

需給は株価の値動きに大きな影響を与えます。株価が揉み合う調整局面で売りが吸収され需給が引き締まっていく過程でみられるVCPパターンは出現頻度と信頼性が高い点が魅力です。VCPパターンを通して調整局面の需給の変化を考えてみるのも面白いですよ。

けろ
けろ

VCPパターンから需給変化を読み取り購入タイミングを見つけよう!

VCPパターンとは

VCPパターンは成長株投資の書籍「ミネルヴィニの成長株投資法」で紹介されているチャートパターンです。VCPとはVolatility Contraction patternの略です。Volatiliry = ボラリティ,Contraction = 収縮という意味なので直訳するとボラリティ収縮パターンです。つまりVCPパターンを描く過程でボラリティが低下していくという意味ですね。ボラリティ低下は需給の引き締まりを意味しますので、VCPパターンは株価上昇前に頻繁に現れます。

VCPパターンの特徴

まずは一般的なVCPパターンの特徴を確認していきましょう。

  • 直前の上昇トレンド
  • T1,T2,T3:高値からの押し、弱気投資家を振るい落とし買い集めが進む部分
  • ピボットポイント:前回高値を超えるポイント
  • エントリーポイント:株価収束と出来高減少後のピポットラインブレイク

VCPパターンの出現場所

株価の大幅上昇が期待できるVCPパターンは上昇トレンドの途中で現れます。株価の上昇が一段落し、高値圏で揉み合いを始めたらVCPパターンの形成が始まっていないかチェックしてみましょう。

需給を引き締める複数回の調整

VCPパターンの本質は調整を複数回繰り返すことで弱い投資家を振るい落とし需給の引き締めを行うことにあります。1回目の調整をT1, 2回目の調整をT2と数えていきましょう。Tの意味は日本語版で明示されていませんが恐らくTimes(回)の頭文字でしょう。

調整の深さ

1回目の調整(T2)の深さは10~35%です。調整幅が小さすぎると振るい落としが不十分であり、大きすぎると高値更新を前に売り圧力に負けるので適切な範囲に収まることが好ましいです。調整の押しは通常2~6回程度繰り返されます。

ボラリティの低下

調整を繰り返すことでボラリティが減少していきます。ここでいうボラティリティは値動きの激しさ(=調整の深さ)と取引の頻繁さ(=出来高)を指しています。

例えばT1の調整幅が20%であれば、T2は15%、T3は7%と回を繰り返すごとに値幅が小さくなりボラリティが減少してきます。また調整を繰り返す間に買い集めと振るい落としのサインが見えると大口投資家の存在を強く示唆しており、需給が引き締まりつつあることが期待できます。
ちなみにカップウィズハンドルもVCPパターンの1種であり需給の考え方は全く同じです。

VCPパターンのエントリータイミング

VCPパターンのエントリータイミングはピボットラインを出来高急増で上抜けしたときです。最低でも50日平均の+50%、理想的には+100%以上の出来高増加でエントリーしたいですね。

VCPパターンと投資家心理

複数回の調整とボラリティ低下は投資家の心を揺さぶりながら進みます。パターンを描く間に振るい落とされる個人投資家の心理を見てみましょう。

①株価急落&出来高減少

上昇を続けてきた株価が天井を付け下落に転じます。株価が永遠に上がり続けることはありません。
天井近辺で出来高は膨らみますが、自然な調整であればやがて落ち着いてきます。

機関投資家
機関投資家

ちょっと上値が重いな…一旦下げて揺さぶるか…

個人投資家
個人投資家

天井サインだ、逃げろー!

②株価上昇&出来高増加

上昇トレンドの調整局面で反転の兆し、押し目を狙う投資家たちが買いに入ります。

機関投資家
機関投資家

このくらい下げたらいいだろう、少し戻してみるか

個人投資家
個人投資家

押し目!買いだ!!

③株価横ばい~下落&高出来高

前回高値に近づいたことで利益確定売り&戻り売りの売り圧力(オーバーヘッドサプライ)に曝されます。買い勢力は押し負けて株価は下落に転じます。

機関投資家
機関投資家

まだ重いな…。もう少し振るい落とすか。さらに買い集めよう

個人投資家
個人投資家

高値掴みしたけど戻ってきた、損切り、危なかったぁ

個人投資家
個人投資家

利益確定売り!調整幅の分だけ儲けたラッキー!

個人投資家
個人投資家

やばいまた失速した…天井だ…逃げよう…

④株価下落&出来高減少

下落初期は大量の売りが出ますが、弱い投資家が売り終えると出来高は急減します。

個人投資家
個人投資家

株価がまだ下がる…逃げよう

機関投資家
機関投資家

買い集め、買い集め、買い集め

⑤株価上昇&出来高増加

調整によって上値が軽くなり前回高値を更新することができました。
(T1,T2でカップウィズハンドルにも見えますが、取っ手の押しが深すぎますね)

機関投資家
機関投資家

軽くなったな、でももう少し株を買い集めたいなぁ…

個人投資家
個人投資家

押し目買い!高値更新!青天井!

⑥株価横ばい&高出来高

T1形成前の過去最高値を目前に再び売り圧力に曝され下落に転じてしまいました。
大口投資家はさらに株を集めるため、買いの手を緩めたのでしょう。

機関投資家
機関投資家

失速したと見せかけて株を売らせよう

個人投資家
個人投資家

頑張れ!頑張れ!…逃げろー!

 

⑦株価急落&出来高増

T2形成前の高値を割り込む急落が起こりました。
弱い投資家の損切りラインに引っ掛かり大量の売り注文が出たのでしょう。
大口投資家の振るい落としです。

機関投資家
機関投資家

驚かせて投げ売られた株を買い集めるぞ、ここの損切りラインを利用しよう

個人投資家
個人投資家

支持線割れた!もうだめだ損切りだ逃げろ!!

⑧株価下落&出来高急減

株価は下落しますが、出来高が急速に減ってきました。
2度の調整と振るい落としで弱い投資家がいなくなってしまったので売る人はいません。
需給が引き締まった売り枯れサインです。

個人投資家
個人投資家

(誰もいない)

機関投資家
機関投資家

そろそろかな

⑨株価急騰&出来高急増

需給が引き締まり上昇の準備ができたため大口投資家が本格的に動き始め、株価が急騰します。

機関投資家
機関投資家

準備完了、株価を吊上げよう

個人投資家
個人投資家

売った銘柄が急騰してる…

…大化け銘柄を逃した辛い経験が蘇ってきますね。大口投資家の手の上で踊らされていたのです。

株価推移により多少状況は変化しますが、大切なのは買い集めと振るい落としの動きを確認することです。振るい落としのキッカケは支持線割れ、悪材料による株価指数の急落など様々です。④の上昇トレンドの途中で揉み合い支持線を形成していれば絶好の振るい落としラインとなりますね。

CANSLIM投資では機関投資家の動きを察知し、急騰が始まる⑨のタイミングで波に乗ることを目指します。じっくり引き付けて勝率の高いところで勝負しましょう。

けろ
けろ

需給が整った時点でエントリーし機関投資家と共に波に乗ろう!

VCPを形成した銘柄の例

VCPを形成した例としてベネフィット・ワン(2412)のチャートを見てみましょう。3度目、4度目の調整では天井からの下落時の出来高が大きく減っており需給が改善していく様子が見えますね。

参考記:VCPパターン/ベネフィット・ワン(2412)/2017年(1)

ミネルヴィニの成長株投資法

VCPパターンは成長株投資の書籍「ミネルヴィニの成長株投資法」で詳しく紹介されています。なぜVCPパターンが優れているのか、チャートが描かれる途中の投資家心理、投資の心得など盛りだくさんの内容で成長株投資をする方にはおすすめの一冊です。

需給関連の記事

VCPパターンが上昇するために重要な株の需給に関する記事は他にもあるので参考にしてください。

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