index投資では始めに決めた商品を毎月定額で購入します。index投資の成績は投資対象の選択(アセットロケーション)によって大部分が決まります。このページでは投資対象選びのポイントについて、具体例をあげながら解説していきます。
目次
リスクとリターン
「リスク=損失」というイメージが強いと思いますが、投資の世界では予想通りのリターンが得られないことをリスクと考えます。つまりリスクが高いとは、想定するリターンが得られない(=損をする)可能性に加えて、想定以上のリターンが得られる(=得をする)可能性も高いことを意味します。
- リターン: 投資で得られる利益の期待値
- リスク : 利益の期待値の振れ幅
次のグラフの中で、線の振れ幅がリスク、長期的に見た傾きがリターンとなります。赤と青では、リターンは同程度なのに対し、青のほうがリスクが大きいことがわかります。
リスクを過度に恐れるのではなく、正しく認識し自分が許容できる範囲のリスクでリターンを狙うように心がけましょう。
資産クラスの種類
値動きの幅や変動要因など投資対象の特性による資産の分類のこと。地域(国内、先進国、新興国)と種類(株式、債券、REIT)によって特性が異なる。代表的な資産クラスの特徴は次の通りです。
<対象地域>
・国内:日本
日本円を軸に投資するため為替や物価変動のリスクが少ない。ただし海外に比べリターンも劣る。近年の経済成長率や、金利の低さを考えると投資対象としての魅力度は低い。
・先進国:北米や欧州
ドルやユーロなど現地の通貨を介して取引をする必要があるため、為替の影響を受けやすい。日本に比べ投資リターン&リスクは大きい。
・新興国:ブラジルやインドなど
将来大きな成長が期待される新興国への投資はリターン&リスクが大きい傾向にあります。ただし経済成長が必ずしも株価の上昇に繋がらないこと、経済成長に伴うインフレによる為替リスクがあるため注意が必要です。
<商品の種類>
株式
個別株式への投資は比較的ハイリスク&ハイリターンとなりますが、index投資では多くの会社に分散投資するためミドルリスクミドルリターンと考えています。
債券
債券投資は発行体(債券を発行してお金を借りている人)によりリスクが異なりますが株式に比べるとリスク&リターンは低めです。
REIT
REITとは「不動産投資信託」のことです。簡単に言うと「不動産投資を行う法人に投資」することです。株と同様の方法で取引が可能で価格も数万円から投資ができます。法人が投資する不動産の種類により値動きが多少異なりますが、リスク&リターンは低めです。
代表的な資産クラスの過去20年間のリスクとリターンの関係を次の図に示していますので参考にしてください。
構成要素の分散度
index投資では複数銘柄に分散投資をすることになります。分散投資のメリット&デメリットは次の通りです。
例えば次の企業5社に投資するとします。開始時の価格はすべて100円でしたが、1年後には値上がりしている銘柄、値下がりしている銘柄が混在していることでしょう。この場合、集中投資と分散投資の場合の結果を比較してみましょう。
開始時 | 1年後 | 変化率 | |
かえる社 | ¥100 | ¥200 | 100% |
とかげ社 | ¥100 | ¥150 | 50% |
かめ社 | ¥100 | ¥90 | -10% |
へび社 | ¥100 | ¥0 | -100% |
やもり社 | ¥100 | ¥90 | -10% |
かえる指数 (平均株価) | ¥100 | ¥106 | 6% |
集中投資
5社の中から値上がりしそうな特定の1社を選んで投資する場合、値上がりする「かえる社」を正確に選び出すことができれば1年後に資産を2倍にすることができました。一方で間違ってへび社を選んでしまった場合、へび社は倒産しあなたの資産はゼロとなってしまいました。このようにハイリスク&ハイリターンとなるのが集中投資です。
分散投資
一方で5社の株を均等に取り入れたかえる指数を利用して分散投資をした場合は、+6%の利益を得ることができました。かえる社の爆発的な利益が他銘柄に希釈される一方で、へび社の絶望的な損失を他銘柄で補うことができた結果です。このように分散投資では利益と損失が打ち消しあうため、破滅的な損失を避けられる一方で利益の幅も小さくなります。
米国株式を対象としたindexだけでも投資対象や分散度が様々ですので、投資内容や値動きの特徴を見ながら選びましょう。
手数料
index投資では投資信託やETFに投資することになりますが、これらの商品には手数料がかかります。「手数料は保有商品の金額に対して年〇%」という形でかかるのが一般的です。同じような内容の商品であっても手数料が異なることがよくありますので、選定の際は注意して選びましょう。たった1%の違いでも長期投資では結果に大きな影響を与えます。
例えば次のような「かえる投資信託」と「へび投資信託」があったとします。それぞれに100万円を投資した場合、手数料の違いが結果にどのような影響を与えるでしょう。
平均リターン(年率) | 手数料 | 実質リターン(年率) | |
かえる投資信託 | 6% | 0.10% | 5.90% |
へび投資信託 | 6% | 1% | 5% |
それぞれの投資信託の10年後、20年後の価格はどうなっているでしょうか。
0年目 | 10年目 | 20年目 | |
かえる投資信託 | 100万円 | 177万円 | 314万円 |
へび投資信託 | 100万円 | 162万円 | 265万円 |
差額 | 0円 | 15万円 | 49万円 |
手数料の違いだけで10年後には15万円、20年後には50万円程度の差が生じてしまいます。長期投資では小さな差が増幅され結果に反映されますので、商品選びは慎重に行いましょう。
コメント