株価指数が上昇するとき、全ての銘柄が同じように上がる訳ではありません。指数の何倍も値上りする銘柄もあれば、下落してしまう銘柄もあります。個別株投資をする場合には、指数に比べ圧倒的な成績で相場を牽引する「主導株」を選んで投資するようにしましょう。
主導株とは何か
主導株の探し方
停滞株と共振株
目次
主導株が株式市場を牽引する
主導株とは市場を牽引することができる超優良銘柄です。主導株の株価上昇に引っ張られて、その他の銘柄や平均株価が上昇していきます。ところで優良銘柄の基準は何でしょうか。時価総額や歴史など一般人が企業の価値をはかる方法はいろいろありますが、投資家にとって規模も伝統も価値はありません。株価が上昇する高成長企業だけが投資家にとっての優良銘柄です。つまりCANSLIMの要素を満たす高成長企業であるとともに、優れた値動きをしていることが主導株の条件と言えます。
「この銘柄、成長力が凄くて主導株のはずなのに値動きが悪い…」と思うことがあるかもしれません。残念ながら株価があがらない銘柄は主導株ではありません。成長が減速し始めている、需給が整っていないなど、株価があがらない原因があるはずです。値動きが劣るのであれば、業績に関わらず投資対象とするのは避けたほうがよいでしょう。今はその銘柄を買うタイミングではありません。
主導株を探す方法
株式市場を牽引してどんどん値上がりする主導株を探し出す方法を確認していきましょう。
業界の中で最も優れた銘柄を探す
スクリーニングツールを使うことで好業績銘柄を見つけ出すことは簡単ですが、業績に釣られてすぐ購入してはいけません。その銘柄が本当に主導株かを見極めましょう。業績が優れているのに値動きが悪いからと諦めてはいけません。好業績が業界全体の勢いに後押しされている場合、同業他社に主導株が存在する可能性が高いです。スクリーニング条件をわずかに下回っていたとしても、加速的な成長の途中であれば、候補として検討してみましょう。
日々の株価の動き、来期以降の成長予想、事業の特色を見て業界内で最も強い銘柄に投資しましょう。
調整局面で強い銘柄を探す
主導株とは株式市場を牽引できるほど強い値動きをする銘柄です。しかし勢いよく上昇し続ける銘柄を購入するタイミングは中々訪れません。できることなら上昇を始める前に主導株を探したいところですよね。
主導株の力強さは上昇局面に限った話ではありません。上昇が始まる前の調整局面でも主導株の強さを垣間見ることができます。市場平均に比べ割高になりがちな成長株は調整が始まると大きく売り込まれます。主導株であっても大きな調整となれば例外なく売り込まれます。次の強気相場の主導株となる銘柄を探すためには、大きく調整する成長株の中でも下落幅が小さな銘柄を探すようにしましょう。
また市場全体が弱気の日に強い値動きをしている銘柄を探すのも有効です。市場全体が出来高を伴って下落している中で上昇している銘柄や、出来高の少ない陰線を描いている銘柄、買い支えが見られる銘柄を探してみましょう。
停滞株と共振株に注意
強気相場を先導する主導株と対比される停滞株と共振株についてもあわせて確認しておきましょう。
強気相場で取り残される停滞株
主導株が強気相場で驚異的なパフォーマンスを見せる一方で、株価指数と同程度~劣ったパフォーマンスの銘柄も存在します。このような値動きの悪い銘柄をオニールの成長株発掘法では「停滞株」と呼んでいます。
弱々しい停滞株は強気相場の終盤で輝き始めます。主導株が割高となる強気相場の終盤であっても、値動きの悪い停滞株は安値圏にあるため、割安感に釣られた投資家たちが停滞株を購入し始めるのです。割高な主導株が売られ割安な停滞株が買われるのは資金循環の一環にも見えますが、強気相場を牽引するためには優良銘柄の値上がりが不可欠です。主導株に代わり停滞株が上昇を始めたとしても、相場を牽引する力はなくすぐに失速する可能性が高いと考えられます。強気相場の終盤で上昇する停滞株に投資する手法も悪くありませんが、天井が近い可能性を考慮して挑むことが重要です。
主導株とともに上昇する共振株
社会情勢変化や政策に後押しされて業界全体で株価が上昇することがあります。しかし個別銘柄を詳しく分析してみると、利益の伸び率に大きな差があることでしょう。利益が大きく伸びる主導株の株価が上昇する横で、主導株と似た銘柄というだけで買われる銘柄が「共振株」です。主導株と共通点を持つことからある程度の成長を期待することはできますが、主導株より劣ることは確実です。資金を効率よく運用するのであれば、最高の主導株に絞って投資した方がよいといえます。
主導株への投資が最も期待値が高い
主導株、停滞株、共振株、それぞれの値動きの特徴を掴んでいれば投資の機会を増やすことができます。中でも最も強く利幅の大きな主導株を見つけ出すことに注力することで個別株投資の成績は大きく改善することでしょう。
優れた成長株を見つけ出す方法や、レラティブストレングスを使って値動きの強さをはかる方法、ローソク足と出来高から強さをはかる方法を紹介した記事も参考にしてください。
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