VCPパターン/ベネフィット・ワン(2412)/2017年(1)

ベネフィット・ワンは2015年にクライマックストップを付けた後、1年半に渡る調整期間が訪れました。最大調整幅は42%なので、クライマックストップで逃げ遅れると大変な目に遭います。長い調整期間から新たな上昇トレンドが始まるキッカケがVCPパターンでした。

今回のVCPパターンでは直前のクライマックストップから約2年分の週足を確認してみましょう。VCPパターンを見つけることはできますか。

画像クリックでTradingviewのチャートを開きます

ちなみにVCPパターン以外にも相場環境の悪化で失敗に終わってしまった2つのベースパターンが隠れています。マザーズ指数の動きも併記していますので探してみてください。

3つのベースパターンの詳細を次のチャートで確認してみましょう。

2015年の後半から2016年の前半にかけて、カップウィズハンドルとダブルボトムと考えられるベースを形成していますね。ただしどちらのベースもブレイクのタイミングで相場環境が悪化し、大きな上昇に繋げることはできませんでした。VCPパターンは2016年の後半に相場環境が改善したタイミングで現れています。

せっかくなのでだましに終わった2つのベースから確認してみましょう。まずはクライマックストップの直後に現れたカップウィズハンドルから見てみましょう。

カップ底で左から右にかけてボラリティと出来高が減少していく様子が分かりますね。カップの右側の上昇の途中で株価が収束し出来高が減少したのはミネルヴィニの成長株投資法で出てくる「Cheat」ですね。この調整部分をハンドルと考えることもできますが、高値まで約15%と遠い(戻り売りが出る)上、カップ底の高値(9月上旬)と取っ手の安値が近すぎる(売られすぎ)ことを考えると、まだ十分なエネルギーを蓄えられていないことが分かると思います。その後はゆっくりと前回高値付近まで上昇して株価は反転、取っ手を形成し始めるかと思いきや急落してしまいました。13WMAあたりまで緩やかに下落してくれると理想的でしたが、相場環境の悪化により13WMAを大きく割り込んで下落してしまっています。

相場環境が悪化すると主導株でも大きく下落することがあります。ただしカップウィズハンドルが失敗したからと言ってやる気を失ってはいけません。多くの場合、再び新たなベースを形成して上昇を試みます。今回は急落の勢いを利用してダブルボトムを描いていますね。

新たに描かれたダブルボトムでは買い集め期間が見られませんが、直前のカップウィズハンドルを形成する過程で買い集めていたのでしょうか。2番底から上昇する過程で、3週連続で上髭が発生し売り圧力の強さを感じますね。ちょうどカップウィズハンドルのチートレンジの抵抗線で意識されたのでしょうか。この勢力は13WMAを割り込む長い下髭で振るい落とされ、翌週と翌々週は出来高を減らしながら取っ手を形成しました。ピボットラインを上抜けするタイミングで出来高が急増しており、ダブルボトムの要件は満たしていると考えられます。

しかしブレイクからわずか5週目に長い上髭をつけ下落に転じます。損切りルールには引っ掛かりませんが、相場環境が悪化したためパフォーマンスはいまいちです。

さて、長くなりましたが本題のVCPパターンです。週足と日足をそれぞれ見ていきましょう。

皆さんなら何を根拠にどこでエントリーしますか?

株価指数の動きに影響を受けて乱高下しているので難しいですが、まずは週足から確認していきましょう。

10月下旬以降に値幅を狭めながら3回調整した後に出来高を伴う大陽線、最高値圏で再び調整後に上昇トレンドに入りました。週足でみると1~3回目の調整では下落中の出来高が横ばい~増加傾向で売り枯れの兆候は見えません。新高値更新前のT3をブレイクしたところでエントリーしたいですが、週足では見送りでしょうか。T3新高値をブレイクの時点では13WMAが下向きであることも、マイナスポイントですね。T3を見送ったとしても新高値を新高値を付けた後すぐの軽い押しとして現れたT4では出来高減少が顕著なので低リスクのエントリーポイントとしては理想的です。

続いて日足で確認してみましょう。

週足ではT1~T3は出来高が多く荒々しい印象ですが日足では緩急がしっかりしていますね。T2の大底から反発する際は出来高を伴っており需要の強さが伺えます。その後の調整では出来高が多いまま推移していますが、陰線の値幅が小さくなりつつあることから買い支えによる出来高増であると考えられます。2日反発した後に2日陰線が現れますが出来高が極めて少なく、売り枯れの兆候ですね。翌日から出来高を伴って上昇を始めており、T2ブレイクでエントリーしたくなる勢いです。(個人的にはT2のブレイクはカップウィズハンドルかダブルボトムの特徴がなければリスクが高いのでエントリーしません)

T3では25DMAを割り込んだ位置で出来高を伴った陰線が2本現れています。この2本で振るい落としが起こり需給が引き締まった結果、翌日からは出来高が少ない状態が続いていますね。T3の中盤以降は陽線の日が多くなっているのも需要の強さの表れですね。

T3をブレイクして最高値まで上昇しましたが上髭や陰線が目立っています。すぐに売り圧力に押されてT4の調整が始まりましたね。底付近の陰線でしっかり売り枯れが見えてうまくブレイクアウトしていきました。

今回のVCPパターンで最もリスクが少ないエントリーポイントはT4です。しかしT4ブレイク後も日足では上髭が多く、すっきりない日々が続きました。本格的な上昇を始めたのは2か月後の5月ですが、クライマックストップへの序章でもあり判断が難しいですね。

ベネフィット・ワンがテンバガーを達成するまでに形成した他のベースは以下の記事で解説しています。

ベネフィット・ワンのチャート分析

ダブルボトム(2012年)
クライマックストップ(2013年)-coming soon
カップウィズハンドル(2014年)
クライマックストップ(2015年)-coming soon
VCPパターン1(2017年)
クライマックストップ(2017年)-coming soon
VCPパターン2(2017年)
クライマックストップ(2018年)-coming soon

コメント

タイトルとURLをコピーしました